悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

脳科学

6-2)瞑想と脳 6-2-4)頭頂葉 6-2-4-4)運動主体感

6-2)瞑想と脳 6-2-4)頭頂葉6-2-4-4)運動主体感「運動主体感」(自己の身体部位の運動の行為主が自己であるという感覚)の形成には、脳から1)筋肉に送られる運動情報のコピー(複製情報)と、2)運動によって引き起こされる時間的空間的視覚変化情報と、3)体性感覚情…

6-2)瞑想と脳 6-2-4)頭頂葉 6-2-4-3)注意で活性化する二次体性感覚野

6-2)瞑想と脳 6-2-4)頭頂葉6-2-4-3)注意で活性化する二次体性感覚野頭頂葉にある「二次体性感覚野」は、実際の刺激が与えられなくても他人が触られている映像を観察しただけで活性化します。例えば皮膚に注射針が刺された動画などを観察して、痛みが想像できる…

6-2)瞑想と脳 6-2-4)頭頂葉 6-2-4-2)自己に関わる楔前部

6-2)瞑想と脳 6-2-4)頭頂葉6-2-4-2)自己に関わる楔前部頭頂葉内の「楔前部」には、感覚情報を基にした「自己身体マップ」があります。それを基にして、自己(主観性)及び他人の身(客観性)になっての空間認知に関わります。楔前部は、それ以外にも「自己意識」を司っ…

6-2)瞑想と脳 6-2-4)頭頂葉 6-2-4-1)頭頂葉全般

6-2)瞑想と脳 6-2-4)頭頂葉6-2-4-1)頭頂葉全般頭頂葉は、左右両側の大脳半球の後部(前頭葉の後ろ)に存在し、上頭頂小葉と下頭頂小葉に分けられます。視覚、聴覚、体性感覚などの1)感覚情報の高次統合処理、2)空間(視空間)認知、3)注意の空間的制御などに関わ…

6-2)瞑想と脳 6-2-3)前頭葉 6-2-3-2)前頭前野 6-2-3-2-3)背外側前頭前野

6-2)瞑想と脳 6-2-3)前頭葉6-2-3-2)前頭前野6-2-3-2-3)背外側前頭前野大脳新皮質にある前頭前野の中でも背外側前頭前野(頭蓋骨に近い脳の表面の前頭部の両左右の外部分:こめかみの上)は、記憶(特に作業記憶)、認知、意欲、判断(意思決定)に関係する領域です…

6-2)瞑想と脳 6-2-3)前頭葉 6-2-3-2)前頭前野 6-2-3-2-2)内側前頭前野

6-2)瞑想と脳 6-2-3)前頭葉6-2-3-2)前頭前野6-2-3-2-2)内側前頭前野額の真ん中(眉間)から奥へ向かってある左右脳が対面する内側前頭前野は、個人情報、自伝的記憶、将来の目標、親しい人に関する意思決定などを担当します。内側前頭前野(前頭前野内側部)が、…

6-2)瞑想と脳 6-2-3)前頭葉 6-2-3-2)前頭前野 6-2-3-2-1)前頭前野全般

6-2)瞑想と脳 6-2-3)前頭葉6-2-3-2)前頭前野6-2-3-2-1)前頭前野全般前頭前野とは、前頭葉の内前半部分(後半部分は運動野)をいう。人間の前頭前野は、大脳(全体)の中の約30%を占めていますが、動物の中で最も大きい前頭前野を持っているチンパンジーでも7~1…

6-2)瞑想と脳 6-2-3)前頭葉 6-2-3-1)前頭葉全般

6-2)瞑想と脳 6-2-3)前頭葉6-2-3-1)前頭葉全般前頭葉=前頭前野+運動野(=一次運動野+高次運動野)。上で前頭葉が完全に成熟するのは25歳前後だと述べました。瞑想中の脳は、普段(ベータ波状態)行っている情報処理が減衰・停止している状態です。その折には…

6-2)瞑想と脳 6-2-2)瞑想者の脳

6-2)瞑想と脳 6-2-2)瞑想者の脳第六章第一節では脳波について解説しました。脳波は、脳(神経細胞)が活動することで発生します。その脳の活動ですが、瞑想によって思考や創造性を担う前頭前野の皮質が厚くなる構造(形態)的変化が見られます。特に観察瞑想によ…

6-2)瞑想と脳 6-2-1)脳の発達 6-2-1-2)大脳新皮質の発達

6-2)瞑想と脳 6-2-1)脳の発達6-2-1-2)大脳新皮質の発達大脳新皮質に限定して説明しますと、生まれてすぐから発達するのが、見ることを司っている後頭葉(0歳~4歳くらいに発達のピーク)です。そして音を聞く能力に関わる側頭葉が発達し、その後周りからかけら…

6-2)瞑想と脳 6-2-1)脳の発達 6-2-1-1)脳全般の発達

6-2)瞑想と脳 第六章第一節で、脳波について述べましたので、ここ(第二節)では「単体としての脳」(局在論的脳機能)そのものについて述べて行きます。脳を概説するのではなく瞑想と関連する脳部位に限定しています。次の第三節では、異なった機能を持つ脳部位が…

6-1)瞑想と脳波 6-1-7)瞑想中の脳波

6-1)瞑想と脳波 6-1-7)瞑想中の脳波瞑想前の日常活動では、主にベータ波(心身共の活動)が出現しているが、瞑想を始めると、基礎的アルファ波(心身ともにリラックス・休息)からシータ波(身体はリラックスで精神が活動)へと移行します。つまり瞑想中は身体は休…

6-1)瞑想と脳波 6-1-6)睡眠中の脳波 6-1-6-2)明晰夢と脳波

6-1)瞑想と脳波 6-1-6)睡眠中の脳波6-1-6-2)明晰夢と脳波明晰夢は、レム睡眠中の夢と、(メタ)認知機能(抽象的思考などの前頭前野)が活動を始める覚醒との中間に位置します。通常の夢ではシータ波が出るのに対し、明晰夢を見ている間、脳波は典型的なレム睡眠…

6-1)瞑想と脳波 6-1-6)睡眠中の脳波 6-1-6-1)睡眠中の脳波

6-1)瞑想と脳波 6-1-6)睡眠中の脳波6-1-6-1)睡眠中の脳波「脳幹網様体賦活系(意識発電所)-視床(変電所)-大脳皮質(消費地)」の連絡によって、波形の成り立ちは説明されます。睡眠が深くなるにつれて、脳幹網様体賦活系、視床、皮質の順に求心性(ボトムアップ)支…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-8)γ波(ガンマ波)(30Hz~) 6-1-5-8-3)瞑想とガンマ波

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-8)γ波(ガンマ波)(30Hz~)6-1-5-8-3)瞑想とガンマ波ガンマ波が強まる理由は、観察瞑想において心身の状態をじっくりと感じとるからです。つまり情報が統合されるには時間を要します。大きな統合になれば更に長い時間がかかります。情報…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-8)γ波(ガンマ波)(30Hz~) 6-1-5-8-2)バインディング(結び付け)問題

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-8)γ波(ガンマ波)(30Hz~)6-1-5-8-2)バインディング(結び付け)問題神経科学の世界では、バインディング問題は、一つの難しい問題として立ちはだかっています。脳内の視覚情報処理において、別々の場所(モジュール)で処理される色・形・動…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-8)γ波(ガンマ波)(30Hz~) 6-1-5-8-1)γ波(ガンマ波)(30Hz~)全般

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-8)γ波(ガンマ波)(30Hz~)6-1-5-8-1)γ波(ガンマ波)(30Hz~)全般ガンマ波は、視床で発生し、皮質領域間の情報のやり取りに関わります。ガンマ波は、大脳皮質が活発に活動していることを示します。知覚や意識に関連があり、注意、記憶、視…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-5・6・7)β波(ベータ波)(12~30Hz) 6-1-5-5・6・7-2)SMR波(12~15Hz)

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-5・6・7)β波(ベータ波)(12~30Hz)6-1-5-5・6・7-2)SMR波(12~15Hz)中覚醒領域の脳波の中でも、最も「リラックスと集中のバランス」がとれた「SMR波(感覚運動リズム)(低ベータ波の前半部分)は、野生動物でいえば、獲物に狙いを定めてじっと狙っ…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-3・4)α波(アルファ波)(8~12Hz) 6-1-5-3・4-3)低いアルファ波と高いアルファ波の違い

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-3・4)α波(アルファ波)(8~12Hz)6-1-5-3・4-3)低いアルファ波と高いアルファ波の違い低アルファ波(8-10Hz)とは、正確にはその個人の閉眼時のピーク(最高)アルファ周波数より低周波のアルファ波をいう。ピーク周波数は加齢とともに低下し…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-3・4)α波(アルファ波)(8~12Hz) 6-1-5-3・4-2)アルファ波とセロトニン

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-3・4)α波(アルファ波)(8~12Hz)6-1-5-3・4-2)アルファ波とセロトニンアルファ波出現時では、「セロトニンが放出」され、気(精神)(アセチルコリンを抑制)が静まります。脳幹のセロトニン神経は、リズム運動(意識的呼吸、散歩、自転車漕ぎ、…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-3・4)α波(アルファ波)(8~12Hz) 6-1-5-3・4-1)α波(アルファ波)(8~12Hz)全般

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-3・4)α波(アルファ波)(8~12Hz)6-1-5-3・4-1)α波(アルファ波)(8~12Hz)全般θ波の発生源は、α波に比べ頭皮上からより深い位置(内側)にあります。それに対して、リラックス(安静)状態、休憩状態、集中状態、閉眼時に出現するアルファ波は、…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-2)θ波(シータ波)(4~8Hz) 6-1-5-2-3)FMシータ波

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-2)θ波(シータ波)(4~8Hz)6-1-5-2-3)FMシータ波シータ波の中でも特に「Fmθ(シータ)律動」(リズミカルな繰り返し)は、覚醒状態での、一つの精神的な課題や出来事への「注意集中、没頭、無我・忘我」などの状態を表します。特に前頭葉のシータ…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-2)θ波(シータ波)(4~8Hz) 6-1-5-2-2)シータ波と海馬(記憶装置)

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-2)θ波(シータ波)(4~8Hz)6-1-5-2-2)シータ波と海馬(記憶装置)θ波が現れるのは、正中縫線核からのセロトニン神経が抑制される状況で、その結果大脳新皮質での「アセチルコリン」が活性化します。即ち何かに注意を向けた時、新しいものを見…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-2)θ波(シータ波)(4~8Hz) 6-1-5-2-1)θ波(シータ波)(4~8Hz)全般

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-2)θ波(シータ波)(4~8Hz)6-1-5-2-1)θ波(シータ波)(4~8Hz)全般シータ波が活発に発生するのは、深いリラックス状態、半覚醒状態、眠りかけ、浅い睡眠状態、レム(夢見)睡眠状態の時、注意時、深い瞑想時、まどろんでいる時などです。また…

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-1)δ波(デルタ波)(0.5(1)~4Hz)

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-1)δ波(デルタ波)(0.5(1)~4Hz)デルタ波は、「無意識」状態、「深い睡眠」状態を示しています。また麻酔下でも、昏睡状態でも、この脳波(デルタ波)が出現します。上行性網様体賦活系(意識発電所)の活動が低下すると、視床と大脳皮質間でゆっ…

6-1)瞑想と脳波 6-1-4)振動同期仮説

6-1)瞑想と脳波 6-1-4)振動同期仮説振動同期仮説はいう、脳内の空間に分散した神経細胞群間での神経活動の同期(引き込み)によって、動的機能的な振動同期ネットワーク(回路)が形成され、情報が統合され、バインディング(結び付け・統合)が行われると。注1)位…

6-1)瞑想と脳波 6-1-3)脳波全般

6-1)瞑想と脳波 6-1-3)脳波全般基本的には、デルタ波(最低周波数)からガンマ波(最高周波数)へ向かうほど、精神活動は活発に成って行きます。デルタ波からガンマ波へ向かうほど、身体的活発度が上昇して行く。つまりデルタ波からガンマ波へ向かうほど、心身両…

6-1)瞑想と脳波 6-1-1)脳波とは 6-1-2)脳波の周波数域別一覧

6-1)瞑想と脳波 第五章では、「悟りに至る内的な変化」を、「瞑想」という技法を用いて説明して来ましたが、ここ(第六章)では、そのことによって生じる「脳の中での変化」という目に見えない内的な変化を、目に見える形で、再度説明して行きます。まず最初はこの第…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-6-3)悟りを伝えること

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-6-3)悟りを伝えることユングは、周囲の人々に思想を理解させることではなく、自分と同じように見る方法、単なる理論だけではなく、それを具現化する方法を会得してもらうべく最大限の努力をしました。これに失敗すれば絶対的な…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-6-2)私見「悟り」「仏性」

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-6-2)私見「悟り」「仏性」あらためて、私見なのですが、「悟り」「仏性」について述べて行きます。仏性とは、宇宙に遍満する「法」を受ける機能(能力)をいう。悟りとは、仏性が開花して機能(自性清浄心に至った)した結果、その法を全身全…