悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

1-1)宇宙原理、法(仏教)、道(道教)、ことば(キリスト教) 1-1-3)仏教の「法」

1-1)宇宙原理、法(仏教)、道(道教)、ことば(キリスト教)

1-1-3)仏教の「法」

仏教では、宇宙原理を「法」(仏教では「ダルマ」は「宇宙の法と秩序」を意味する)という用語で呼んでいます。インドでは、仏教(釈迦)が生まれる前のウパニシャッド(哲学)時代には、法は「最高の真理」を意味しました。その後、その影響を受けた釈迦(仏陀)は「法を悟った」といわれます。
一般に「悟る」とは、「迷い・煩悩を去って生死を超えた永遠の真理を会得する」ことです。釈迦の教えでいうと、「一切皆苦」(世界の一切合切は思い通りにはならないという苦しみをもたらす)を悟る、というのは、あなた(自我)とは無関係に「諸行無常」(外界のすべてのものごと・現象(諸行)は常に変化している)だからと悟り、しかもあなたも含めて「諸法無我」(有形無形のすべてのものごとは、つながり合っていて、個として独立しているものは一つもない)からだと悟り、修行して「涅槃寂静」(煩悩の炎の吹き消された悟りの世界(涅槃)は、静かな安らぎの境地(寂静))だと身をもって悟りなさい。最初の三つは知的悟りで、最後が体験的悟りです。
内界(心の世界)における、諸行無常とは、感覚・感情・思考を含む全ての現象が常に生成消滅を繰り返しながら変化し続けています。更に内界における諸法無我とは、そういった生成・消滅を繰り返しながら変化し続けている感覚・感情・思考を含む全ての現象を固定的自我を立てて思い通りに制御することはできない。
つまり、仏教では、宇宙原理を「法」といい、その具体的内容は、「諸行無常」・「諸法無我」です。勿論更に詳しい具体的な内容が経典に述べられています。例えば、般若心経に「不生不滅不垢不浄不増不減」という一節があります。これも外界内界についての宇宙原理を具体的に述べたものです。
注)仏教における「法」とは、法則・真理、教法・説法、存在、具体的な存在を構成する要素的存在などを意味します。
仏教的宇宙原理は、「諸行無常」・「諸法無我」で、それに対して人間は、「一切皆苦」と知的に悟り、更に体験的に「涅槃寂静」の境地に達して迷い(固定化すること)から悟り(自然法爾)なさい、と釈迦は説きました。