2)過去の人々の(悟り)証言
2-5)「パウロ」の「内面のキリスト」
上(2-4)でエックハルトは、「魂の根底に神の子の誕生(神の子としての転生)が起こる」という。これを別の表現で言い表したのが、初期キリスト教の使徒であり、新約聖書の著者の一人でもあるパウロです。彼は、イエスの信徒を迫害していたが、回心してイエスを信じる立場に身を置きました。彼はエックハルトよりもはるか前の人ですが、エックハルトのいう「離脱」を体得・体現しています。そのパウロはいう、「もはや私が生けるにあらず、キリストが私において生けるなり」と。