悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-6)外向性の特徴

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向

5-1-6)外向性の特徴
外向的な人は、前部帯状回、側頭葉、視床後核がよく活性化します。これらの部位は、感覚(皮膚感覚、視覚、聴覚)の処理を司ります。視床後核の内、1)視床枕は、皮膚感覚、視覚および聴覚の統合に関与します。2)内側膝状体は、聴放線(神経線維の束)を側頭葉の聴覚中枢に送ります。3)外側膝状体は、視放線を後頭葉の視覚中枢に送ります。つまり外向型の人は、外的経験(感覚情報:視覚、聴覚、触覚、味覚)を処理する脳の部位がよく活性化します。だから外向型は外側の世界に自然と心が向かいます。
アドレナリンとドーパミンは、運動、注意力、覚醒、学習能力に働きかけ、活動的になり、外に出て人と会い共に活動することで快感が増し、楽しくなります。このように外向型の特性はアドレナリン、ドーパミンに大きく影響されています。「外向」中は、脳波が「ベータ波」状態で、その時には「作業記憶」(CEN)が主導権を担います。

このように見ていくと、瞑想には、元々内向型の人の方が取り組みやすいようですね。しかし外向型の人も、そこを敢えて瞑想を続けていくと、脳の構造や仕組みの面でも内向性が少しずつ高くなって行きます。それは、瞑想によって、脳の働き方や構造そのものが内向型へと変化して行くからです。なお瞑想による、脳の働き方や構造の変化に関しては、第六章で取り上げます。