悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-2)集中瞑想と注意 5-2-3)注意とは 5-2-3-2)二種類の注意

5-2)集中瞑想と注意

5-2-3)注意とは
5-2-3-2)二種類の注意
その注意ネットワークは二つの下位ネットワークを持ちます。
そのひとつが受動的注意定位に関わる1)「腹側(注意)ネットワーク」(ボトムアップ型無意識的注意機能)であり、側頭頭頂接合部、中・下前頭回(腹側・腹外側前頭前野)を中心とする領域が関わります。視空間認知機能の中でも特に注意を向ける方向の転換(切り替え)に関与します。
予期しない、顕著な刺激によってボトムアップ的に注意が惹きつけられる際には、後述の背側ネットワークに加え、主として右半球の下前頭前野(腹側)、下頭頂側頭境界部、左の帯状回前部と補足運動野の活動の上昇が認められます。
もうひとつが能動的注意定位に関わる2)「背側(注意)ネットワーク」(背側前頭-頭頂ネットワーク)(トップダウン型意識的注意機能)であり、上頭頂葉・頭頂間溝と上・中前頭回・前頭眼野が含まれます。トップダウン的にある位置や物に注意を向けるとき、前頭眼野を含む上前頭連合野(背側)と頭頂間溝周囲の上頭頂連合野の活動の上昇がほぼ両側性に関与します。集中瞑想は、この背側注意ネットワークを活性化させます。
ワーキングメモリ(作業記憶)は、「前部帯状回」(情報選択と提示)と「背外側前頭前野」(背側注意ネットワーク)が相互作用して中央実行機能を担当しています。その機能の一つが、注意の方向を制御して感覚情報の入力量を制限することです。背側注意ネットワーク(作業記憶)は「Fmθ波」の発生源でもあります。持続的な注意が要求されるワーキングメモリ課題においても前部帯状回と背外側前頭前野が主導的に働きます。つまり持続的注意は、作業記憶(背側注意ネットワーク)が出処です。持続性注意には、右前頭葉(前部帯状回、背外側前頭前野)以外に下頭頂小葉、視床、脳幹からなるネットワークが関与します。