悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-2)集中瞑想と注意 5-2-3)注意とは 5-2-3-3)ノルアドレナリンと注意機能の関係

5-2)集中瞑想と注意

5-2-3)注意とは
5-2-3-3)ノルアドレナリンと注意機能の関係
青斑核のノルアドレナリン作動性神経が、注意力を制御する役割を担っています。ネズミでの実験なのだが、青斑核の活性化によって、衝動性(ボトムアップ注意)が抑えられ、正解率は上昇しました。逆に青斑核の抑制によって衝動性が増加し正解率は低下しました。具体的には、背内側前頭前野に投射する青斑核神経を活性化すると、ネズミの正解率が上がったが、ミスは減少しなかった。反対に、眼窩前頭前野(腹外側部)へ投射する青斑核神経を活性化すると正解率は上がらなかったが、ミスが減少しました。
注)青斑核は、橋の背側に位置する小さな(ノルアドレナリン)神経核である。覚醒レベルの制御、選択的注意、痛みの抑制、姿勢制御に関与する。
つまり集中力(トップダウン注意)を高める(促進型)「青斑核―背内側前頭前野ネットワーク」(背側(注意)ネットワーク)と、衝動(ボトムアップ情報)を抑える(抑制型)「青斑核―眼窩前頭前野(腹外側部)」(腹側(注意)ネットワーク)ネットワークがあります。正解率が上がるのは注意力が高まるからで、ミスが減るのは余計な情報が減るからです。
一般的には、ノルアドレナリンは適度に分泌されることで、意欲や向上心を刺激し、想像力が豊かになったり、行動化への動機付けになったります。逆にノルアドレナリンが不足すると、集中力や意欲が低下し、無気力・無関心に陥ります。
青斑核は、大脳、視床、海馬、小脳、脊髄など中枢の主要なほとんどの脳領域に投射します。脳全域にわたる広範に支配する青斑核は脳全体の機能の調節に関係しています。外界からの感覚刺激によって、青斑核が興奮し脳全体にノルアドレナリンを放出することで、眠っている動物が目覚め、覚醒している動物が覚醒レベルをさらに上げます。このような外界の新奇な刺激に対して注意するのは青斑核が関与しているからです。