悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-2)集中瞑想と注意 5-2-4)トップダウン注意とボトムアップ注意

5-2)集中瞑想と注意

5-2-4)トップダウン注意とボトムアップ注意
二種類の注意について述べましたが、別の角度から取り上げます。注意の制御方式は、能動的(トップダウン)制御と受動的(ボトムアップ)制御に分けられます。
注意の能動的(トップダウン型)制御は、自分が注意を向けたい対象に随意的意識的意志的に注意を向ける方式を意味します。それに対して注意の受動的制御は、自然(無意識裏・受動性)と注意が惹きつけられてしまう方式を意味します。
強い目立った刺激(例えば後ろでドンという音がした)は、「ボトムアップ(無意識)的注意」を無意識裏に起動させます。この場合には、背側ネットワーク(トップダウン型注意)に加え、主として右半球の「下前頭前野(弁蓋部、三角部、眼窩部)」、「下頭頂側頭境界部」、左の「前部帯状回」と「補足運動野」と「腹側ネットワーク」が活性化します。
注)補足運動野は自発(心の中にある記憶や感情という内発的動機)的な運動の開始に寄与する。補足運動野は運動の注意の移動に関しても、背外側前頭前野が下頭頂葉および視床枕を介して視覚野を制御移動しており、視覚注意の解放には下頭頂小葉が、注意の定位には視床枕が関与しています。
つまり、背側注意ネットワークは、トップダウン的、ボトムアップ的な注意のいずれにも関与し、これらを統合することで行動に必要となる感覚情報の選択を行います。
それに対して、腹側注意ネットワークは背側のネットワークに干渉し、その情報処理に修正を加えています。つまりほとんどの条件で注意機能の主導権を握るのはトップダウン型注意です、ボトムアップ注意が初動するとしても。トップダウン型には前頭前野(外側部)と上頭頂葉、頭頂間溝、側頭頭頂接合部が関わり、ボトムアップ型には中・下前頭回(眼窩部)が関わります。