悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-2)集中瞑想と注意 5-2-5)注意と視線の関係

5-2)集中瞑想と注意

5-2-5)注意と視線の関係
なお注意と視線の関係なのですが、注意の移動に眼球運動は必須ではありません。というのは、注意制御機能と眼球運動機能とでは、注意制御機能の方が階層的に上位に位置します。前頭眼野は、大脳皮質に存在する背外側部に位置する眼球運動野で、下位の補足眼野や上丘に直接投射します。
しかし多くの場合、注意の向いた場所に自然に(眼球運動を実行して)視線を移動させます。ですがある程度訓練すると、連携を解消させることができます。意識的でも無意識的でも、視線の移動に、下頭頂小葉と中前頭回(背外側前頭前野・前頭眼野)といった大脳新皮質の脳部位が強く活性化します。
なおミミズクなどの夜行性動物では、視覚ではなく聴覚によって音源の位置を正確に特定できます。そのような聴覚処理においても、やはり眼球運動領域によって空間的注意が制御されています。つまり動物(人間を除いて)では空間的位置の定位には必ず眼球運動が添付されます。人間の場合には、定位(ロックオン)に関して、眼球運動が視線に対しても必須ではなく、ただ意識(心の視線)だけを向けるだけで(訓練によって)可能になりました。ではならば意識の拠点(発信源)は何処なのだろうか。残念ながら、私にはその答えを持ち合わせていません。