悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-3)メタ認知全般 5-3-3-2)メタ認知の神経基盤

5-3)観察瞑想とメタ認知

5-3-3)メタ認知全般
5-3-3-2)メタ認知の神経基盤
メタ認知の神経的構成要素は、1)「メタ認知的知識」という認知活動に関する知識(認知内容・記憶内容)と、2)「メタ認知的制御」(メタ認知的監視とメタ認知的制御)という認知活動を上位統制する機能から成ります。上で述べたように前頭前野(特に背外側前頭前野)がそのようなメタ記憶・メタ認知過程と深く関わっています。それだけではなく「内側前頭前野(前頭極)」もメタ認知と深く関連します。
例えば、自己の内面に対する意識に関わる脳領域を調べるために、自己の身体状態、感情、特性などを評価する「自己内省」課題が用いられます。被験者がこれらの課題を行っている時には、「前部帯状回」(32野)、「内側前頭前野(10野:前頭極)」、「後部帯状回(23/31野)」(エピソード記憶関係領域)、「楔前部」(感覚情報集約拠点)(7野)を含む大脳皮質正中内側部構造の活動が増大します。なお大脳皮質正中内側部構造は安静時の内省状態で活動が高まるデフォルトモードネットワークを構成する主要な領域です。
注)「前頭極」は、前頭葉におけるネットワーク的においても、担う認知機能的にも「最上位に位置」すると見られます。