悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-3)メタ認知全般 5-3-3-3)メタ認知と自覚

5-3)観察瞑想とメタ認知

5-3-3)メタ認知全般
5-3-3-3)メタ認知と自覚
メタ認知(客観視)能力が乏しいと、その場の、その時々の感情や欲求(ボトムアップ情報)に容易に流されがちです。というのは、客観視(メタ認知)とは、渦中に巻き込まれないで、そこから離れた位置(第三者)に立つことですが、脳的にいえば、情報が処理されている階層よりも一段高い階層からそれを俯瞰的把握をすることです。
それに対して、哲学者西田幾多郎は、「現実そのままな、不断進行の意識」(直観・純粋意識)の「進行の外にたって、翻って之を見た意識」(反省・内省・メタ認知)という両者が結合することが「自覚」だという。つまり自覚は、あるがままの経験(情報処理した階層での記憶情報)と、上位階層からのメタ認知(反省・内省)とが出会って、しかも両者を一つに統合した状況が自覚だという。メタ認知の階層に留まっているのでは、他人事(対岸の火事)になってしまいます。単なる知識です。自覚とは、メタ認知内容を自分事化(意識化)(前部帯状回の役割:仲介者)することです。統合・止揚は一段高い階層に昇るというヘーゲル弁証法です。つまり正という「実行意識(内容・情報・記憶)」から反である「メタ認知(記憶)」が外在化した上で自覚という「統合」を成すことで止揚できます。