悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-5)観察瞑想と自我 5-5-4-1)記憶とは

5-5)観察瞑想と自我

5-5-4-1)記憶とは
生物を非生物(物質)と分かって来たのは、「細胞」という自立(自律)を確保する「細胞膜」です。更に、生物を非生物(物質)と分かって来たもう一つのものは、「記憶(情報の貯蔵)」です。身体に関する記憶(情報貯蔵)は「遺伝子」が担い、心(精神)に関する記憶は「脳」が担います。
注)染色体(DNAの集合体)があり、この中のDNA(遺伝情報を担う物質部分)が遺伝子(遺伝情報)です。
なお余談ですが、社会(集団)での記憶装置が文化です。集団の外部記憶装置が文化です。人類は外部記憶装置として文化を創造しました。動物行動学者・進化生物学者であるリチャード・ドーキンスが、習慣や技能、物語といった社会的、文化的な情報を「ミーム」(文化遺伝子)と呼びました。ミームは人類・社会・集団の共有財産です。
ということで、
ここからは脳(特に人類の脳)内で行われる記憶について述べて行きます。記憶は、物事の(客観的)意味を記憶する1)「意味記憶」と、「自分」の行動、体験の履歴を記憶する2)「エピソード記憶」に分けられます。意味記憶は下等な哺乳類も持つが、エピソード記憶(自分がいつ何をしたかをエピソードの連続として順番に覚えていく記憶)は、鳥類や高等な哺乳類しか持ちません。