悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-5)観察瞑想と自我 5-5-6)脱中心化 5-5-6-1)脱中心化の神経基盤

5-5)観察瞑想と自我

5-5-6)脱中心化
5-5-6-1)脱中心化の神経基盤
自我情報の中心である後帯状回・楔前部(エピソード記憶情報中継所)と自己意識(自意識・再帰的意識)という情動に関与する島皮質および情報の最高管理中枢である内側前頭前野(メタ認知内容情報)の連絡が緊密(即ち統合化)になる、即ち自覚化すると自己の客観視(メタ認知機能)が出来るようになり、心理学的にいわゆる「脱中心化」が生じます。
参照)脱中心化については、この後で説明します。
観察瞑想を続けるにつれて、自分の過去の経験に関する記憶に囚われる程度と関係している、腹側線条体脳梁膨大後部皮質(エピソード記憶関連領域)の結合性が低下します。 これは、今この瞬間に生じている経験にありのままに気づく際に、自分の過去の経験に関する記憶に囚われる程度が低下することを意味します。
「腹側線条体」には、腹内側前頭前野(前頭極)、眼窩前頭前野(下位階層情報集約拠点)、島皮質(身体情報集約拠点)といった上位脳部位からと、扁桃体(情動情報)、海馬(記憶機能)、視床髄板内核群(意識覚醒)という皮質下からも情報入力があります。これらの情報を集約統合させて後の行動を引き起こす強い意欲を引き起こします。つまり腹側線条体は行動化決定推進拠点です。観察瞑想によって行動化決定拠点(腹側線条体)と自我(エピソード記憶拠点)とが切り離されて行きます。つまり自我(エピソード記憶)を基にした行動化決定がなされなくなるということです。