悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-6)瞑想と意識 5-6-2-5)情報進化論

5-6)瞑想と意識

5-6-2-5)情報進化論
余談的な内容なのですが、進化論を「情報」という視点から私見を述べたい。宇宙は膨張をし続けています。膨張とは拡散(発散)です。物理法則として、膨張(拡散)という作用に対する反作用として、宇宙には自己組織化能力が遍満しています。この「自己組織化能力」が進化の原動力です。西田は、これを「統一力」という。
物質は進化しないが、生物は進化します。でも生物の基礎要素は物質ですよね。とすれば、物質も進化するといえるのかな。生物が進化できるのは、「情報を蓄積」し「統合」することができるからです。生物は、細胞に遺伝子という形で情報を蓄積します。もう一つ、生物の内で動物は、脳(特に神経細胞)に情報を蓄積し心理的・精神的にも、情報を蓄積することで進化して来ました。しかし物質は情報を蓄積できません。ということで、物質は統合という自己組織化力だけで進化するので限界があります。
脳内で、感覚情報として入力された情報は、既に蓄積された情報と統合することで、より高い階層に上ります。上がった先でもそこに既に蓄積されたより高次な情報と統合することで、更に高い階層に上ります。これは有用な突然変異を統合してより高度な生物進化をするのと同じ形式です、情報統合という面においては。生物の進化という面では、その情報は突然変異と呼ばれます。その突然変異が生物の既存の情報と統合して創発が生まれ進化がもたらされます。環境は進化をもたらす触媒です。
人間は、生物界で、心身の両面における情報統合という点において、最高階層にいます。脳において、前頭前野は、情報統合という面において、最高階層にいます。
言葉は、情報、特に体系化された、一まとまりの情報を集約する機能を持っています。ラベル(タグ)機能です。このことによって、見えない物事を見える化ができます。が反面、言葉は、中身のない空箱でもあるのです。言葉は、ラベル、タグ、空箱に過ぎないのです。しかし、前頭前野がその言葉を用いる機能によって、最高階層に位置することができるのです。言葉は、情報の高次統合点(核)です。