悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-1)自我防衛機制

5-7)瞑想と自我防衛機制

積極性意識と自我とはどういう関係なのだろうか。そもそも自我と積極性意識は同じなのだろうか。受動意識仮説は、意識の役割を、情報、特にエピソード記憶情報のハブ基地で一括取り入れ口だと考えます。それを自我と捉えるのだろうか。
私は、積極性意識=自由意思=自我(エピソード記憶)=前頭前野(=最高階層)という捉え方をします。この自由意思が真の自由意思か思い込みの自由意思かどうかは別にしても。

5-7-1)自我防衛機制
この第七節は、第五節「自我」の続きです。そこでは自我とはどのようなものかを説明しました。ここでは自我の機能としての、心身を守るという「自我防衛機制」について説明します。自我はオートポイエーシス能力を持ちます。このオートポイエーシスは、簡単に言えば、「自律的閉鎖系システム」です。自我のこの自律性と閉鎖性が防衛機制(恒常性維持機能)として働きます。といっても、宇宙は矛盾的自己同一なので、完全(100%)ではありませんが。とにかくこの自律性と閉鎖性が自己を守りはするが進歩を阻みます。進歩(進化)とは、新しいことを取り込むことです。私達はこの矛盾に立たされています。
私達が行動する場合、陰に陽に自我(の自律性と閉鎖性)がしゃしゃり出て、「自我防衛機制」を発動させます。「防衛機制」とは、危険や困難や不快な事柄に直面した場合や、受け入れがたい苦痛や状況に陥った場合などに生じる不安や体験を弱めさせるために、更に自我(心)の安定を保つ為に、行われる無意識に作用する様々な心理的な仕組みです。
脳には、自分自身および自らの体験にかかわる情報を処理する自分中枢(内側前頭前野、特に前頭極)があります。この場所は、身体感覚管理センター(島皮質)や感情中枢(扁桃体)としっかりと結びついているため、恐怖・不安・動揺・困難を感じ取ると、自分中枢(自我)が強い反応を起こして、扁桃体と島皮質で自分への警報として恐怖心や危機感が生まれます。かくて自分を守るという無意識的反射的防衛機制が発動されます。