悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-2)瞑想と脳 6-2-2)瞑想者の脳

6-2)瞑想と脳

6-2-2)瞑想者の脳
第六章第一節では脳波について解説しました。脳波は、脳(神経細胞)が活動することで発生します。その脳の活動ですが、瞑想によって思考や創造性を担う前頭前野の皮質が厚くなる構造(形態)的変化が見られます。特に観察瞑想によって、右の前部島皮質と背外側前頭前野と前頭極(内側前頭前野)という部位が普通より明らかに厚くなります。
注)大脳皮質(前頭前野の皮質もここに含まれる)は、大脳の表面に広がる、「神経細胞」(灰白質)の薄い層で、神経細胞は規則正しい層構造で整然と並んでいます。そこでは、知覚、随意運動、思考、推理、記憶など、脳の高次精神機能を司ります。
瞑想することで脳は、形(大小・幅など)の面で変化が生じます。個々の脳部位だけではなく、脳の部位(領域)間のつながり(神経ネットワーク)にも変化が生じます。例えば、扁桃体(感情発信)と前頭前野(ブレーキ役)の結びつきが強くなる機能結合も見られます。これによって、感情を制御する能力が高まります。
毎日指先を使う訓練を続けると、体性感覚野にある指や手のひらに対応する脳部位が大きくなります。繰り返し脳の同じ部位に刺激を加えると、脳のその部位は大きく育っていきます、筋肉と同じように。幼い子供に様々な玩具で遊ばせると、海馬(記憶機能)の神経細胞が増加して行きます。
注)神経ネットワークについては、「6-3)瞑想と神経ネットワーク」を参照。
瞑想の効果は、このような脳が構造的にも機能的にも変化することで得られる効果なので、次に脳の各領域についてまとめます。