悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-2)瞑想と脳 6-2-3)前頭葉 6-2-3-1)前頭葉全般

6-2)瞑想と脳

6-2-3)前頭葉
6-2-3-1)前頭葉全般
前頭葉前頭前野+運動野(=一次運動野+高次運動野)。
上で前頭葉が完全に成熟するのは25歳前後だと述べました。瞑想中の脳は、普段(ベータ波状態)行っている情報処理が減衰・停止している状態です。その折には、その前頭葉(特に運動野)がオフライン(機能減衰停止)状態になります。あるいは逆に、外向的活動時とは異なる内向性機能が活発化する可能性も高い。というよりは、そもそも瞑想とは、外向性機能を停止させて内向性機能を活発化させることが目的です。しかし脳のどの領域が活性化するかは、瞑想の方法や瞑想者の経験度合いによってかなり異なります。
瞑想時には、脳が活発に情報処理を行っていることを示すベータ波(日常生活ではβ波の状態)が減少します。脳の中で最も進化している部分である前頭葉(特に前頭前野)は、論理的思考、計画、感情および自意識の機能を持っています。これらは全て内向性機能です。つまり前頭前野は、心の内部での、目標設定、計画立案、計画実行、統制といった能動性脳内実行機能を司る脳の部位です。その内、右前頭前野は、感情やイメージなどの非言語的な情報処理に優位な部位です。他方、左前頭前野は、言語的な情報処理に優位な部位です。左側は更に否定的な感情に関わる扁桃体の活動を抑える働きをします。右前頭葉は、人間らしく生きていく上で必要不可欠な、注意、作業記憶、視空間認知、感情理解や社会的認知機能といった様々な機能を司っています。
内向性機能にも、積極性機能と受動性機能とがあります。瞑想(特に観察瞑想)は、その内積極性機能を停めて、受動性機能を活発化させる段階(観察瞑想)もあります。勿論積極性機能を活性化させる瞑想方法もあります。これに関しては、瞑想の段階(第五章全体)で説明しました。