悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-2)瞑想と脳 6-2-5)「側頭頭頂接合部」と「共感」 6-2-5-1)共感と自己受容

6-2)瞑想と脳

6-2-5)「側頭頭頂接合部」と「共感」
6-2-5-1)共感と自己受容
側頭頭頂接合部(側頭葉と頭頂葉の隣接部位)は、下頭頂小葉の下部(縁上回と角回)と上側頭回の後部(ウェルニッケ野)に相当します。この領域は、「自他の区別」や「心の理論」(共感・他者理解)と関わる重要な役割を担います。またこの領域は「体外離脱体験」、「自己像幻視」のような現象とも関わりを持ちます。
注)自己像幻視(ドッペルゲンガー)とは、自分自身の姿を自分で見る幻覚をいう。
瞑想する人では、他者への共感に関連する部分である側頭頭頂接合部が大きく活性化しています。「共感性」と「自己受容性」との間には関連があり、自己受容的である人ほど共感的です。つまり瞑想は共感性を高めます。文学的小説を読む、あるいはドラマを見るとは、他人の立場に自分を置く経験をすることです。それが他人の人生に対する共感と理解につながります。
なお自己受容とは、あるがまま(いいところも悪いところもそのまま)の自分を認めて、自己全てを受け入れることをいう。自己受容ができる人は、自分はもちろんのこと、他の人も認める余裕を持っています。