悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-2)瞑想と脳 6-2-6)脳幹網様体(意識発電所・危機管理センター)

6-2)瞑想と脳

6-2-6)脳幹網様体(意識発電所・危機管理センター)
脳幹網様体は、延髄から中脳まで、即ち脳幹の全体に広がりを持つ構造体です。網様体には実に様々な情報が流入します。例えば、脊髄から「痛覚」が入り、「視覚・聴覚・前庭覚(平衡感覚)・顔面の触覚」も流入します。その他、「大脳皮質・小脳」などからも入って来ます。
注)脳幹は、中脳、橋、延髄と間脳とで構成されています。
脳の「見張り番」を務める網様体は、外部からの不審な感覚刺激を察知すると、臨戦態勢を整えて警戒するよう脳を活性化します。具体的には、「ノルアドレナリン」神経は、身体全体のあらゆる感覚情報を、特に新奇なとりわけ不快・不審な感覚情報を受け入れ、その情報を大脳皮質を含めた脳全体に発信する、一種の脳内危機管理センターとして働きます。瞑想することで、そういった警戒体制は解除されます。
脳幹網様体の主な役割は、1)運動調節:姿勢や運動に関する神経細胞の連絡統合を行います、2)意識の保持:網様体には、身体全体から感覚情報、前頭葉運動野からの運動情報など様々な情報が送られて来ます。脳幹網様体は、視床を介して3)覚醒と睡眠の調節にも深く関わっています。言い方を変えると、視床は、覚醒レベルを調節する脳幹網様体の活動性で制御されています。
特に網様体上行性賦活系の中心は、中脳に存在する巨大細胞で、脳幹網様体に感覚信号が集められ、ここで作り出される信号に、視床下部(身体機能)や前脳基底部(精神機能)などの各レベルで付加的な入力が合流することで増強されて視床(各種感覚情報集合拠点)を介して新皮質全体を賦活し、覚醒状態をもたらします。つまり大脳新皮質向けの意識発電所です。