悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-2)瞑想と脳 6-2-10)視床と情報制御

6-2)瞑想と脳

6-2-10)視床と情報制御
視床は、五感から入って来た感覚情報の一部を脳内深くに送り込みます。具体的には視床は脳のほぼ中央に位置し、嗅覚以外のあらゆる感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を大脳新皮質に送る一大中継基地(感覚の管理センター)です。
逆に大脳新皮質は、トップダウン(注意機能として)で視床に関わり目的情報以外の他の情報を阻止することで集中力を高めます。瞑想によって、大脳に流れ込む情報量は大きく減少します。感覚情報と運動系情報のみならず、注意などに関わる前頭前野視床網様核(情報ブレーキ機能)を介して視床ゲート機構(大脳皮質へ送る情報と送らない情報を選別する機構)を制御しています。
注)視床網様核は、視床の外側を取り囲んでいる GABA(抑制型)作動性神経で、大脳新皮質に投射する視床神経を抑制することで新皮質へ伝えられる情報量を調節します。前頭前野(注意機能)も視床網様核を介して視床ゲート機構を制御しています。
大脳新皮質ドーパミン感受性神経細胞の大半は前頭葉に存在し、前頭前野の働きに最も重要な役割を果たします。ドーパミン系は、大脳辺縁系では報酬(損得計算)に、大脳新皮質では注意、長期記憶、計画や意欲に関わります。ドーパミンは、視床から前頭前野へと伝えられる感覚情報の制限および選択にも関与します。このようにして、大脳新皮質流入する感覚情報は視床で制御されます。