悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-3)瞑想と神経ネットワーク 6-3-2)デフォルト・モード・ネットワーク 6-3-2-2)デフォルト・モード・ネットワークと瞑想

6-3)瞑想と神経ネットワーク

6-3-2)デフォルト・モード・ネットワーク
6-3-2-2)デフォルト・モード・ネットワークと瞑想
反応(注意を向ける)したり判断したりせずに、ただただ観察するのみの瞑想(観察瞑想)を行うと、感情や記憶に関わる領域(大脳辺縁系)と、DMNとの関係性が低下していきます。観察瞑想には、このデフォルトモー ドネットワークの過剰な働きを静め、脳を省エネモードにして落ち着かせます。どの瞑想方法でもDMNの機能が抑制されていきます。
DMNにおいて、内側前頭前野は記憶に基づいて自己に関係した(自己言及的)心的思考を行います。それに対して外側側頭葉は過去の記憶や経験に基づいて思考の「材料」を提供します。後部帯状回・楔前部(処理施設)は、内側前頭前野(実行機能)と外側側頭葉(記憶情報提供)の二つの下位システムを統合(中継基地)します。
瞑想で外向性(CEN)を停止して、内向性DMNを一時的に活性化させて、それによって湧き出た雑念を観察(受動性)瞑想で見つめて意識化します。その後雑念の内容が自発自展し終わるとDMNは役割を終えて静まります。このようにして瞑想はDMNの過剰なアイドリングを鎮めていきます。だから瞑想は緊張(速波)でもリラックス(徐波)でもない、第三の心的状態(中庸)を生み出します。長期瞑想実践者では、DMNの活性化が低下して機能的結合性が低下します。
瞑想によって雑念が減少している時には、DMNの活動性が明確に低下しています。瞑想がデフォルトモードネットワークに関わる後部帯状回と内側前頭前野の活性を抑えます。結果的に瞑想がマインドワンダリングの状態を抑えます。
注)後部帯状回と内側前頭前野エピソード記憶機能を持ちます。