6-4)瞑想と神経伝達物質(ホルモン)
6-4-4)オキシトシン
6-4-4-1)オキシトシン全般
神経伝達物質のオキシトシンは、瞑想によって活性化させることはできないのですが、重要な神経伝達物質なので取り上げます。オキシトシンは、「視床下部」で合成され下垂体後葉に運ばれてそこから放出されます。
注1)慈悲の瞑想でオキシトシンが活性化するという報告もあります。
注2)オキシトシンは、神経伝達物質としてだけでなく、血中に放出されるホルモンとしての働きもあります。末梢組織(受信側)ではホルモンとして、中枢神経(受信側)では神経伝達物質として働きます。
柔らかい物にゆっくりと触覚を通じて受けた感覚は、快や不快、安心感や嫌悪感といった情動を喚起させる役割を持ちます。その感覚は、自己の意識や感情と関わる島皮質や前部帯状回(SN)、更には自律神経の中枢である視床下部にも届いています。
この柔らかくて気持ちいいという快適な触覚刺激が脳(大脳新皮質)に伝わると、視床下部ではオキシトシンが分泌されます。オキシトシンが分泌されると、副交感神経が優位になり、人は心身ともにリラックスし、ストレスを軽減させます。心臓にもオキシトシンの受容(受信)体が豊富に存在し、オキシトシンによって血圧が下がり心拍も下がります。だからオキシトシンはストレスから心臓を守る働きも持っています。人(特に幼い子)にとって、ぬいぐるみや柔らかい布はこういう意味を持つのかも知れませんね。