悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-4)瞑想と神経伝達物質(ホルモン) 6-4-5)コルチゾ-ル

6-4)瞑想と神経伝達物質(ホルモン)

6-4-5)コルチゾ-ル
コルチゾールは、瞑想では分泌させることはできないのですが、重要なホルモン、生きていくのに絶対必要不可欠なホルモンなので取り上げます。またコルチゾール神経伝達物質ではなく直接血中に放出されるホルモンなのですが、精神的ストレスを感じると、人はコルチゾ-ル(副腎皮質から分泌されるホルモン)を分泌させます。ストレスが、脳の視床に働いて、脳下垂体から出る副腎皮質刺激ホルモンを介して、副腎皮質ホルモンを放出させます。しかしストレスといっても、運動などの負荷であっても負荷がかかれば放出されます。
神経伝達物質は選択的に個別の脳部位に働きかけるのですが、ホルモンは電波のように一斉放出します。でも無差別に作用するわけではなく、そのホルモンを受容する受容体(受信器)を持たないと作用は受けられません。しかしコルチゾールは、直接体内のタンパク質の合成を制御することでさまざまな作用をもたらす特殊なホルモンです。その結果コルチゾールは脳内の「あらゆるホルモンの活動性を低下」させます。
コルチゾールの主な働きは、全身の色々な臓器に働きかけます。例えば、肝臓での糖の新生、筋肉でのタンパク質代謝、脂肪組織での脂肪の分解と代謝の促進など、各所での代謝の促進や、抗炎症作用、免疫抑制など、コルチゾールは身体的活性化にとって必須のホルモンです。つまり、脳神経の働きを弱めたり停めたりして、身体の働きに全集中させる役割を担うのがコルチゾ-ルです。
しかし、精神的ストレスが継続すると、コルチゾールは、臓器を疲弊・過労させてしまいます。特にホルモンの製造元の副腎を過労させます。しかし通常は産生されたコルチゾールは、ネガティブフィードバック(自身の産生を抑制する回帰性システム)によりバランスを保っています。