悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-4)脳が統合された全体として機能

5-8)瞑想(静慮・禅定段階)

5-8-4)脳が統合された全体として機能
瞑想に話を戻すと、1万9千時間以上の瞑想経験を持つ熟達者は、初心者に比べ左側の「背外側前頭前野」(メタ認知機能)などの「注意」に関連した領域の活動が活発になっています。しかし4万時間を超える最も瞑想経験豊富な熟達者は、逆にそれらの活動が低いという結果が出ています。背外側前頭前野が注意集中を制御しますが、その背外側前頭前野の働きを止めた状態が「ディヤーナ」(静慮・禅定)だといえます。これは、脳的には悟り状態だといえます。
参考)1万9千時間は、1日8時間瞑想を続けると、6年半を要します。4万時間ならば、13年半以上を要します。
極普通に脳が活動している時には、脳全体の同調度は30〜40%ぐらいで、あまり高くありません。「超越」(ディヤーナ・静慮・禅定)している時には、脳波の同調(統一統合)率が90%にまで高まります。つまり超越の体験とは、脳が一つのより統合された全体として機能している状態の体験なのです。逆に、大脳皮質の活動が高まると、分散性が高くなり、同期性が低下する脱同期が起こります。
結論としては、「ディヤーナ」(静慮・禅定)とは、脳的には、脳内全体が同期しながらも、アイドリング状態(待ち受け)にあるといえそうです。