悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-2)集中瞑想と注意 5-2-8)瞑想と雑念と注意

5-2)集中瞑想と注意

5-2-8)瞑想と雑念と注意
瞑想の「ダーラナー」(凝念・集中瞑想)をしても、慣れない内は、注意(意識)の固定・持続を乱す、実に様々ないわゆる雑念(ボトムアップ型情報)が心の中を飛び交います。この注意散漫の元である雑念が浮かび始めるのは、主に内向によって主導的立場に立ったデフォルト・モード・ネットワーク(内側前頭前野、後部帯状回、外則側頭葉、後下頭頂領域、楔前部など)が原因です。DMNは、意志(積極的意識)を働かせると、CENと切り替わります。その後に続くこの注意散漫への「気づき」をもたらすのは、前部島皮質、前帯状回で構成されるセイリエンス・ネットワークという警告機能です。そして、その後あらためて意志の力で逸れてしまった注意の向け直しをしてくれるのが、「背外側前頭前野、下頭頂葉」という(背側)トップダウン型能動性注意機能です。更に、その注意集中を維持・固定してくれるのも、特に背外側前頭前野など前頭前野です。
注)内側前頭前野とは、脳科学的に、前頭極(10野)を中心として一部 9野と32野を含みます。内側前頭前野の機能は、作業記憶や遂行機能における中核を占めます。エピソード記憶の想起では必ず内側前頭前野が活性化します。