悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-5)DMNと他者評価

5-3)観察瞑想とメタ認知

5-3-5)DMNと他者評価
DMN は、「自己について思考」する場合だけでなく、「他者を評価」する場合にも活性化します。というのは、DMNは、「心の理論」領域(社会性の指標)とも大きく重なり合うからです。
メンタライジング(心の理論)に関わるネットワークは、内側前頭前野、前部帯状回、側頭頭頂接合部、上側頭溝後部などから成り立ちます。またミラーニューロンネットワーク(模倣ネットワーク)は、頭頂葉下部、運動前野腹側(ミラーニューロン)、前頭葉下部(弁蓋部・三角部・眼窩部)などの部位から成り立ちます。
つまり、DMNは、自己評価だけでなく他者評価も担当します。というのは、自分を評価する思考・認知過程(神経基盤)を基に他人を評価する思考・認知過程をシミュレーションしているからです。自分の位置に他者を置き換えるだけなのですから。
心の理論にとって重要な脳部位である側頭頭頂接合部は、自他の区別をつける機能を持ちます。この領域によって、自分か他者かの区別がつけられます。もう一つ自他の動作の区別をつける脳部位として、内側前頭前野(特に前補足運動野:ミラーニューロン)があります。ここは行動面での自他の区別ですが。