悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-2)θ波(シータ波)(4~8Hz) 6-1-5-2-2)シータ波と海馬(記憶装置)

6-1)瞑想と脳波

6-1-5-2)θ波(シータ波)(4~8Hz)
6-1-5-2-2)シータ波と海馬(記憶装置)
θ波が現れるのは、正中縫線核からのセロトニン神経が抑制される状況で、その結果大脳新皮質での「アセチルコリン」が活性化します。即ち何かに注意を向けた時、新しいものを見ている時、興味をいだいた時などで、その時に「記憶過程が活性化」されます。つまりこの時記憶力は向上しているのです。発想力、洞察力、集中力も増しています。瞑想の深い状態でもシータ波が出現して、無意識の層にしまわれた、過去の嫌な記憶を夢や深い瞑想によって解放します。つまり無意識層に沈み込んだストレス・コンプレックスなどを解放する場合にもシータ波が出現します。
注)セロトニンが、前脳基底核コリン作動性神経(アセチルコリン)の興奮・抑制のバランスを制御しているが、どちらかというと抑制的に働きます。ちなみに興奮型神経伝達物質は、ドーパミンアセチルコリングルタミン酸、アドレナリンで、抑制型神経伝達物質は、ガバ、グリシン、そしてセロトニンがあります。
覚醒時でも外部(感覚)刺激が遮断・減衰されるような集中した状態では、シータ波が発生するので、睡眠時、瞑想時、覚醒中に関わらず記憶課題実行時に見られます。θ波は、記憶の検索と固定化が行われる際の「海馬領域と前頭前野」の協調に関わります。シータ波は、短時間だけ情報を保持し同時並列で処理する作業記憶にも関連しています。
海馬では、8Hzぐらいの周波数の強い脳波シータ波が観測されます。アセチルコリン作動性神経が、海馬に密に投射(方向性のある接続)しており、海馬におけるシータ波生成に関わっています。なおアセチルコリンは、前脳基底部と中隔から放出されます。前脳基底部の投射先は主に新皮質神経回路であり、中隔は主に海馬です。長期記憶の想起時には前部帯状回と海馬領域(エピソード記憶:左脳系と空間記憶:右脳系)が複数の周波数帯(シータ波とガンマ波)で同期し、想起を促しています。θ波は情報の記憶の記銘を意味し、β波は記憶を想起しながら既に記憶された情報と照合していることを表します。