悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-1)δ波(デルタ波)(0.5(1)~4Hz)

6-1)瞑想と脳波

6-1-5-1)δ波(デルタ波)(0.5(1)~4Hz)
デルタ波は、「無意識」状態、「深い睡眠」状態を示しています。また麻酔下でも、昏睡状態でも、この脳波(デルタ波)が出現します。上行性網様体賦活系(意識発電所)の活動が低下すると、視床と大脳皮質間でゆっくりとした(遅い)リズム性δ波が形成されます。デルタ波の発生にも大脳新皮質(情報受信)と視床(情報発信)の双方が関与しています。覚醒の制御に強くかかわる領域(脳幹や前脳基底部など)に局在する神経活動が顕著に低下することも関係します。
注)脊椎麻酔では、意識はありますが、感覚がありません。というのは、局所麻酔では、ボトムアップ型(大脳皮質に向かう)の(感覚)知覚神経が先に麻痺し、その後トップダウン型(脳幹・脊髄へ向かう)運動神経が麻痺します。全身麻酔では、無痛、無動、無意識(意識活動の停止)、記憶機能の停止の状態に入ります。
ノンレム睡眠中の脳波は、デルタ波成分が主体です。もう少し具体的に言えば、深い眠りになるに従ってシータ波、デルタ波に近づきます。
デルタ波出現時には、体の組織や器官が回復(リフレッシュ)します。というのは、デルタ波が出る睡眠状態(深い眠り、ノンレム(徐波)睡眠状態)では、新陳代謝が活発になり、身体機能をより強くします。最も身体を休息させ回復させる能力が発揮できる状態です。つまり脳活動全般が弱まり、身体の回復が活発になります。
脳科学的には、脳幹の間脳にある視床下部は、内臓の働きや内分泌の働きを支配し、生命現象を司る自律神経系(交感神経・副交感神経)機能や内分泌を統合的・総合的に制御・調節することで、生体の恒常性維持に重要な役割を果たしています。
デルタ波は、レム睡眠と同様に、哺乳類と鳥類に限られた現象であり、シナプス(神経細胞同士の連絡)を強め、学習や記憶形成を促す作用を持ちます。δ波は広汎な皮質領域での同期活動をも意味します。