悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-1)瞑想と脳波 6-1-4)振動同期仮説

6-1)瞑想と脳波

6-1-4)振動同期仮説
振動同期仮説はいう、脳内の空間に分散した神経細胞群間での神経活動の同期(引き込み)によって、動的機能的な振動同期ネットワーク(回路)が形成され、情報が統合され、バインディング(結び付け・統合)が行われると。
注1)位相同期は、2つの領域の脳波の動きが一致する現象です。
注2)メトロノームの振動同期(引き込み)現象とは、同じ床に置いた 2 台のメトロノームをある程度近い位置に設置して、異なる位相から振動を始めます。やがて2 台のメトロノームの振動の位相は自然に揃って来ます。この現象を、引き込みによる位相同期、同期、振動同期という。
例えば、前頭葉と感覚領域の間の情報伝達がシータ波の位相同期で行われています。この脳内同期と引き込みは、メトロノームや脳内神経細胞間だけに留まらず、個人間でも可能であるそうです。この現象は、動物間でも、人間間でも有り得ます。
極めて興味深い実験があります。嫌いな写真や、好きでも嫌いでもない(中立性)写真を見ている時と比べて、好きな写真を見ている時に、ガンマ帯域脳波の位相同期性が多数の脳部位間で高まります。これは好きと感じる際に、多くの脳部位間で情報のやり取りが行われていることを意味します。好きを統合(同期)、嫌いを分離(脱同期)と解釈するとすんなり納得できます。それ以上に興味をそそられるのが、感情が情報の統合・分離に影響を与えることです。