悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-1)瞑想と脳波 6-1-5-8)γ波(ガンマ波)(30Hz~) 6-1-5-8-1)γ波(ガンマ波)(30Hz~)全般

6-1)瞑想と脳波

6-1-5-8)γ波(ガンマ波)(30Hz~)
6-1-5-8-1)γ波(ガンマ波)(30Hz~)全般
ガンマ波は、視床で発生し、皮質領域間の情報のやり取りに関わります。ガンマ波は、大脳皮質が活発に活動していることを示します。知覚や意識に関連があり、注意、記憶、視覚処理、認知活動、瞑想など、高次の精神活動においてガンマ波が目立ちます。記憶の意識的(トップダウン型)な呼び出し(想起)など「ワーキングメモリ」(作業記憶)などと深く関わりがあります。
ガンマ波とシータ波が発生している時、脳内ではアセチルコリン神経細胞が非常に活発に活動しており、脳には外から大量の情報が流入しています。認知活動には最適な状態です。マイネル基底核(前脳基底部)が活性化すると、大脳皮質においてアセチルコリン濃度が増します。それと共に、大脳皮質での徐波成分(デルタ波)が減少し、速波成分(シータ波とガンマ波)が増えます。
注1)アセチルコリン神経は、脚橋被蓋核や背外側被蓋核にも存在し、視床を介して大脳新皮質全体の活動を調節しています。
注2)視覚刺激を認識(高次機能)した時に視覚野からガンマ波が発生します。
覚醒時には、β波(14~20 Hz)を基点にして、安静閉眼時のアルファ波(8-12 Hz)、注意起動時のガンマ波(約40Hz)などの脳波が切り替わります。脳波的には、覚醒度(脳の活発度)は、デルタ波が最も低く、ガンマ波が最も高い。デルタ波は精神活動が最も弱く、ガンマ波が精神活動が最も高い。
身体の現在の状態をよく観察するマインドフルネス(今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに囚われのない状態で、ただ観ること)を目指す観察瞑想においては、シータ波とガンマ波が強くなります。その内シータ波の方は、記憶との関連が強く、例えば、群集のたくさんの顔から特定の顔を知覚・認知(記憶と合致)された時に脳波リズムが同期します。その際にガンマ波が増強し、さらにその位相が大域的に同期します。
別の例では、ガンマ波が見られるのは、悩み続けた問題が解決できた時などに0.5秒ほど検出されます。他には、ケーキを食べたり、単に食べる想像をした時にも、その味・音・匂い・景色などの五感を統合する時にコンマ数秒ほど出現します。あるいは未知の物事を認識した瞬間にも、逆に「あっ間違った」と気付いた時、なるほどの「アハ体験」でも、高域ガンマ波の位相同期性が高くなります。しかしそれらのどの場合も、極めて瞬間的出現に終わります。
このことから、様々な異なった機能を持つ各脳領域が更なる大きな機能単位として神経ネットワークを形成し、各々の異なる領域内でのリズミカルな活動が同期することで、機能的・意味論的な情報統合を果たします。この瞬間が「ユーレカ」(アハ体験)です。この時ガンマ波が発生します。つまりガンマ波は脳内の「知覚情報の結合」と関連した活動を表します。