悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

5-2)集中瞑想と注意 5-2-1)ヨガの「ダーラナー」

5-2)集中瞑想と注意

5-2-1)ヨガの「ダーラナー」
先(第五章第一節)で提示しましたヨガ(瞑想)の準備段階「プラティヤハーラ」が、外向している関心(心)を内向させることでした。その後に続く、ここで扱うヨガの「ダーラナー」(凝念・集中瞑想)とは、内界に向けた心を「一つに集中」させることです。ダーラナーとは1つの対象に、心(脳)も身体内部機能をも統合させて、対象に意識(注意)を集中させることです。
というのは、プラティヤハーラ(内向・感覚制御)によって、心を内面へと向け変えても、心はまだまだ内面内をあちらこちらへとさ迷い出します、遊び盛りの幼子のように。その「さ迷い出す心を固定(集中・凝念)させる」訓練がダーラナーです。
この段階(凝念)では、「注意を意のままに操作・制御」する能動的力を育てます。ともすれば無意識に操られてさ迷う注意を意志の力で固定(ロックオン)します。その具体的方法として、最初の頃には、外的な炎や内的な呼吸など一つの事柄に注意を固定させます。それ以外にも、読経や朗読をしたり、身体活動(ゆっくりと意識的に動く太極拳、マラソンなど)をしたり、あるいは読書やゲームに集中したりしても集中力は養えます。つまり注意が勝手にさ迷うことがなく注意を意(意識・意志)のままに操作する集中力(主体性・能動性)を育てて行くので、この段階は瞑想でなくても構いません。身体活動、スポーツ、ゲーム、読書、読経、仕事、芸術活動、遊びなどなど。プロフェッショナルと呼ばれる専門家はこの能力を研ぎ澄ませた人々です。ここでは瞑想に限定して話しを進めます。