悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-2)瞑想と脳 6-2-4)頭頂葉 6-2-4-2)自己に関わる楔前部

6-2)瞑想と脳

6-2-4)頭頂葉
6-2-4-2)自己に関わる楔前部
頭頂葉内の「楔前部」には、感覚情報を基にした「自己身体マップ」があります。それを基にして、自己(主観性)及び他人の身(客観性)になっての空間認知に関わります。楔前部は、それ以外にも「自己意識」を司っており、楔前部に隣接して、エピソード記憶(自己に関する時間空間的詳細履歴)を司る後部帯状回が存在します。つまりここ楔前部とその隣接領域に自己に関する「自己身体情報、自己履歴、自己意識が集約」されています。なお睡眠や麻酔で意識がない時にはそれら機能が低下します。深い瞑想状態でもその機能が消失して自他の区分・境界が消えます。つまり心身が脱落します。
楔前部は、デフォルト・モード・ネットワークに関わり、このネットワークの活性化は、自己関連思考やマインド・ワンダリングをもたらします。瞑想や他への没頭でこの楔前部の活動は低下します。右楔前部の活動性が低いほど主観的幸福度が高いといわれています。どんな状況でもあるがままの自分を肯定できる心理状態は、右後部帯状回(エピソード記憶機能)と楔前部(自己意識)の活性低下と関係しています。
なお悲観は、右脳(右扁桃体と繋がる)が作り出します。それに対して幸福感や前向き思考は左脳(左扁桃体と繋がる)が作り出します。つまり右脳が悲観というブレーキ、左脳が楽観というアクセルとなります。