悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

6-2)瞑想と脳 6-2-5)「側頭頭頂接合部」と「共感」 6-2-5-2)共感の神経基盤

6-2)瞑想と脳

6-2-5)「側頭頭頂接合部」と「共感」
6-2-5-2)共感の神経基盤
知能を司る領域と共感力を司る領域は、双方とも脳の前頭前野が関わります。他者と協力しあう「社会性」を身につけていくには、他人の気持ちや考えを感じ取る共感力が必要不可欠です。自己、他者、共感、社会性は繋がり、しかもその順序で発達して行きます。
共感の神経基盤として、1)「下前頭回」の「ミラーニューロン」、2)「扁桃体」「中脳水道周囲灰白質」などの情動関連領域(大脳辺縁系)、3)「内側前頭前野(特に前頭極)」を中心とするメンタライジング関連領域が関わります。
なお下前頭回(前頭葉運動前野)のミラーニューロンとは、他者の運動を観察した時に活動するとともに自身が同じ運動を実行する時にも活動するミラーニューロン群をいう。なお運動前野は、感覚情報に基づいた運動、運動の企画、運動の準備、他者の運動内容の理解(ミラーニューロン)等において、主要な役割を果たします。
他者の意図を理解する「心の理論」の神経基盤は、内側前頭前野、後部帯状回、側頭極、側頭頭頂接合部領域(共感機能)の4つの領域で、他者の行動の目的・意図について考える課題の時に共通して活動が認められます。
心の理論領域の内で側頭極は、意味記憶や、相貌認知や心の理論など社会的情動的機能との関連が深い。自伝的記憶の想起にも関与します。痛みに共感している際に活性化する脳領域は、私たちが他者の視点に身を置く時に反応する領域と同じです。つまり共感とは、他者の視点から見る行為です。