2)過去の人々の(悟り)証言
2-7)「親鸞」の「自然法爾」
鎌倉時代前半から中期にかけての仏教者で、浄土真宗の宗祖である親鸞のいう「自然法爾」とは、自力(人為)を捨て、如来の絶対他力にまかせきる、ありのままにまかせきることです。親鸞は、救済は人間のはからい(人為)によって成立することではなくて、仏の本願力の自ずからなる「はからい(無為)」によって往生成仏せしめられるという。だが益々自力(人為)(自我)(意識)が強固で強大に成った現代に至っては、その自力を棄てることは至難な技となりつつあります。現代は、自力を棄てる為に多大な自力を必要としています。
注)「成仏」とは、煩悩がなくなって、「悟りを開いた状態」をいう。
注)悟りをさまたげる煩悩を断って輪廻の苦から解き放たれることを解脱という。