悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

脳科学

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-6-1)仏性(如来蔵)と悟り

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-6-1)仏性(如来蔵)と悟り今まで瞑想を中心として、脳科学、心理学、哲学、宗教などなどを交え、悟りへの過程を述べてきました。悟りは仏教用語といってもいい言葉なので、ここで仏教的な説明もします。あらためて仏性とは、一切…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-5)瞑想の最終最高段階「サマーディ(三昧)」

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-5)瞑想の最終最高段階「サマーディ(三昧)」自分の意識が消え、対象が光り輝く状態に入ります。ここの段階まで来ると、脳科学を離れて最早完全に宗教の領域です。ディヤーナの状態ではまだ幾分か残っていた自我意識も、この境地が…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-4)脳が統合された全体として機能

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-4)脳が統合された全体として機能瞑想に話を戻すと、1万9千時間以上の瞑想経験を持つ熟達者は、初心者に比べ左側の「背外側前頭前野」(メタ認知機能)などの「注意」に関連した領域の活動が活発になっています。しかし4万時間を超える…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-3)悟りは意識が消えて全面無意識ばかり

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-3)悟りは意識が消えて全面無意識ばかりあらためて「ディヤーナ」(静慮・禅定)とは、認知するという心(主観・意識・メタ認知)の働きを静める、停止することによって、ただ働きだけがあり澄み切った状態になることです。西田はそれを純…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-2-3)バンジージャンプ

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-2-3)バンジージャンプここで上記の例えとして、旧約聖書の創世記に記述されているアブラハムの逸話(「イサクの燔祭」)を取り上げます。これはアブラハムの前に立ちはだかった試練の物語です。その試練とは、不妊の妻との間に年老…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-2-2)宇宙原理の定義

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-2-2)宇宙原理の定義話を戻しますが、憶えておられるでしょうか、禅僧沢庵宗彭が、「(一枚の葉に心をとられると残りの葉や樹木全体が見えなくなるから、一葉に心を止めず)「一本の木に何心もなく打ち向ひ候へば、数多の葉残らず目…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-2-1)「ディヤーナ」(静慮・禅定)とは

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-2-1)「ディヤーナ」(静慮・禅定)とはようやくにしてここからはまだ説明をしていない新しい段階にたどり着きました。人格の完全統合を果たしたら、その旅路の終着点は、既に弱めていた意識・自我(前頭前野)の働きそのものを停めるこ…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-1)瞑想の過程(おさらい) 5-8-1-3)ヴィパッサナー

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-1)瞑想の過程(おさらい)5-8-1-3)ヴィパッサナー次には、「ヴィパッサナー」瞑想・「マインドフルネス」(観察瞑想)などの観察瞑想を実践することで、前の段階で完成した注意制御を方向、強さ、固定性、持続性、選択性、拡大性などを自…

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-1)瞑想の過程(おさらい)5-8-1-1)プラティヤハーラ5-8-1-2)ダーラナー

5-8)瞑想(静慮・禅定段階) 5-8-1)瞑想の過程(おさらい)あらためて瞑想についてごく簡単に回想して行きます。5-8-1-1)プラティヤハーラ先ず準備段階としてプラティヤハーラで心を内面に向けることを習慣化します。内向するには、外界から入って来る感覚情報を…

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力 5-7-6)仏教の仏性と科学の自己組織化力と

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力 5-7-6)仏教の仏性と科学の自己組織化力と私には、仏教のいう仏性とは、哲学者西田がいう、宇宙に遍満する「統一力」だと思えます。それに対して、自然科学は、それを「自己組織化力」という。それは、無秩…

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力 5-7-5-4)ユングの個性化

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力 5-7-5-4)ユングの個性化ユングはそれについては個性化という。個性化への過程は、人が未分化な無意識を発達させる過程であり、人格の要素や精神的に未熟な要素、人生における経験が、「一つのものへと…

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力 5-7-5-3)マズローの欲求階層説

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力5-7-5-3)マズローの欲求階層説心理学者アブラハム・マズローは、「自己実現理論」を発表して、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」として、人間の欲求を5段階に理論化しました。それ…

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力 5-7-5-2)ロジャースの実現傾向

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力5-7-5-2)ロジャースの実現傾向「人格の統合」について、来談者中心療法(クライエント中心療法)を創設した、1940年代のアメリカ人臨床心理学者であったカール・ロジャースは、それを、成長・自律・独立などに…

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力 5-7-5-1)西田幾多郎の統一力

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-5)成長へ向かう過程・根源力では、人にとって成長の最終地点(ここから先は浄土、楽園)が何故悟りなのでしようか。間接的ながらも説明をしている人々を紹介します。5-7-5-1)西田幾多郎の統一力かなりの回数で取り上げて来ましたが…

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-4)何故防衛機制を停止させるのか

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-4)何故防衛機制を停止させるのかこの防衛機制は、残念ながら自我を守る為に無意識下で自動的に行われるのです。悟りを得る為には、これは超えなければならない高い高いハードルです。防衛機制を発動させないようするには、単純な…

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-3)人格(の統一性・統合性)の完成、自我同一性の確立

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-3)人格(の統一性・統合性)の完成、自我同一性の確立例えば、幼少期に極度のストレス(きつい虐待や悲しい母子分離など)を受けると、その経験を心の中で受け入れるのが余りにも辛い苦しい場合、自己の経験(エピソード記憶)をまとま…

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-2)自我防衛機制と人格の統合性

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-2)自我防衛機制と人格の統合性不安や心身の苦痛や精神的罪悪感などから、人格の統合性を維持することが困難な事態に直面したとき、自我は、自分自身を守り、その崩壊を防ぐために、さまざまな努力を無意識の下に行って、人格の統…

5-7)瞑想と自我防衛機制 5-7-1)自我防衛機制

5-7)瞑想と自我防衛機制 積極性意識と自我とはどういう関係なのだろうか。そもそも自我と積極性意識は同じなのだろうか。受動意識仮説は、意識の役割を、情報、特にエピソード記憶情報のハブ基地で一括取り入れ口だと考えます。それを自我と捉えるのだろうか…

5-6)瞑想と意識 5-6-2-5)情報進化論

5-6)瞑想と意識 5-6-2-5)情報進化論余談的な内容なのですが、進化論を「情報」という視点から私見を述べたい。宇宙は膨張をし続けています。膨張とは拡散(発散)です。物理法則として、膨張(拡散)という作用に対する反作用として、宇宙には自己組織化能力が遍満…

5-6)瞑想と意識 5-6-2-4)私見の意識

5-6)瞑想と意識 5-6-2-4)私見の意識これから述べる内容は、単なる私の私見であることを申し添えておきます。「受信(ボトムアップ処理)から発信(トップダウン処理)へ」の「切り替え点」という最高階層が「意識の原点」だと、私は考えます。ただ意識(無意識をも含む)…

5-6)瞑想と意識 5-6-2-3)意識と無意識

5-6)瞑想と意識 5-6-2-3)意識と無意識この二つの意識理論は、どちらも正しいように感じます。ただ私のいう私称トーナメント形成システムの宇宙原理に最も叶うのは、統合情報理論の方です。更に私が述べようとしている悟りとも叶っています。その理由は、第五…

5-6)瞑想と意識 5-6-2-2)統合情報理論

5-6)瞑想と意識 5-6-2-2)統合情報理論「受動意識仮説」が正しいならば、これから説明する「統合情報理論」は違いなのでしょうか。それもまた違います。つまり両者共に正しい。ただ違うのは、論理展開する方向(分野)が違うのです。ということで、あらためて「統合…

5-6)瞑想と意識 5-6-2-1)受動意識仮説

5-6)瞑想と意識 5-6-2-1)受動意識仮説まずは意識についてのある理論「受動意識仮説」を紹介します。その前に、一般的な意識についての定義は、1)「起きている状態」(受動性意識状態:覚醒)で、しかも自分の今ある状態や、周囲の状況などを2)「認識できている状態」(…

5-6)瞑想と意識 5-6-2-0)脳科学面からの覚醒意識

5-6)瞑想と意識 5-6-2-0)脳科学面からの覚醒意識上でも述べましたが、覚醒段階としての意識の維持には、中脳(脳幹に所属)にある(上部脳幹網様体、視床非特殊核、広汎視床投射系からなる)上行性網様体賦活系が重要です。それ以外には、視床下部、視床、大脳皮…

5-6)瞑想と意識 5-6-2)意識(特に覚醒意識)とは

5-6)瞑想と意識 5-6-2)意識(特に覚醒意識)とは上(5-6-1)で、意識を消すという話になりましたので、ここからは意識につれて考えて行きます。まず意識とは、1)起きている覚醒状態、2)自分の今ある状態や、周囲の状況などを「認識」できている状態をいう。ここで…

5-6)瞑想と意識 5-6-1)意識とメタ認知と悟り(心身脱落)

5-6)瞑想と意識 5-6-1)意識とメタ認知と悟り(心身脱落)第二章(2-2)で紹介した道元禅師が、中国での坐禅修行中、隣の修行僧が坐禅中に居眠りをしているのを見た導師(如浄禅師)が、「参禅は心身脱落なるべし。只管に打睡して、なにを為すに堪えんや」と一喝しま…

5-5)観察瞑想と自我 5-5-6)脱中心化 5-5-6-2)脱中心化とは

5-5)観察瞑想と自我 5-5-6)脱中心化5-5-6-2)脱中心化とは脱中心化とは、コペルニクス的転回です。コペルニクス的転回とは、コペルニクスが、天動説(地球中心説)を捨てて地動説を唱えた行為を意味します。このことで科学はキリスト教から離脱して行き脱中心化…

5-5)観察瞑想と自我 5-5-6)脱中心化 5-5-6-1)脱中心化の神経基盤

5-5)観察瞑想と自我 5-5-6)脱中心化5-5-6-1)脱中心化の神経基盤自我情報の中心である後帯状回・楔前部(エピソード記憶情報中継所)と自己意識(自意識・再帰的意識)という情動に関与する島皮質および情報の最高管理中枢である内側前頭前野(メタ認知内容情報)の連…

5-5)観察瞑想と自我 5-5-5)エピソード記憶(自伝的記憶)機能

5-5)観察瞑想と自我 5-5-5)エピソード記憶(自伝的記憶)機能「自伝的記憶」(エピソード記憶)の神経基盤の内で主要な領域として、「海馬」(記憶装置)、「脳梁膨大後部皮質」(後部帯状回:エピソード記憶中継所)、後頭葉の楔部と前楔部領域、左外側前頭前野(情報検索機…

5-5)観察瞑想と自我 5-5-4-2)記憶機能の神経基盤

5-5)観察瞑想と自我 5-5-4-2)記憶機能の神経基盤「意味記憶」に関わる神経基盤としては、「側頭葉」(とその内奥にある海馬)が上げられます。この意味記憶には「時間と空間」情報が添付されていません。つまり抽象化された切り離された個別情報です。しかしエピソー…