悟りへの瞑想の道を脳科学から解説

悟りとはどうなることなのかを、瞑想で悟りを得る道筋を脳科学から具体的に解説して行きます

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

5-4)観察瞑想と雑念 5-4-2)マインドワンダリング

5-4)観察瞑想と雑念 5-4-2)マインドワンダリング私達は、覚醒時に目の前の課題とは関係のない、心の中に渦巻く様々な感覚・感情・思考・記憶・欲求・問題・課題などが、常に絶え間無く意識に向けて自由に湧き起こっています。それらに注意を奪われる現象を「マイン…

5-4)観察瞑想と雑念 5-4-1)雑念

5-4)観察瞑想と雑念5-4-1)雑念瞑想(特に観察瞑想)では、外界から来る五感(感覚情報)に基いて働く意識の浅い層(感覚情報層・主に視床・今ここ)(大脳新皮質第一次感覚野)の働きを鎮めることになります。その結果、意識の深い層(大脳辺縁系や大脳新皮質連合野)か…

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-6)メタ認知と(内側)前頭前野と観察瞑想

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-6)メタ認知と(内側)前頭前野と観察瞑想メタ認知能力の発達は、自己(外面)に気付くこと(自意識)から始まり、5~6歳頃から周囲の状況(外界)と自分の能力(内面)を考慮して起こりうる事態を予測(シミュレーション・思考)するなど、い…

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-5)DMNと他者評価

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-5)DMNと他者評価DMN は、「自己について思考」する場合だけでなく、「他者を評価」する場合にも活性化します。というのは、DMNは、「心の理論」領域(社会性の指標)とも大きく重なり合うからです。メンタライジング(心の理論)に関わるネ…

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-4)DMNと自己評価

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-4)DMNと自己評価デフォルトモードネットワーク(DMN)(内側前頭前野、前部帯状回、後部帯状回、下頭頂小葉などの複数の脳領域で構成されるネットワーク機能)は、自己について思考している時に活性化します。メタ認知は、自己評価を…

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-3)メタ認知全般 5-3-3-3)メタ認知と自覚

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-3)メタ認知全般5-3-3-3)メタ認知と自覚メタ認知(客観視)能力が乏しいと、その場の、その時々の感情や欲求(ボトムアップ情報)に容易に流されがちです。というのは、客観視(メタ認知)とは、渦中に巻き込まれないで、そこから離れた…

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-3)メタ認知全般 5-3-3-2)メタ認知の神経基盤

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-3)メタ認知全般5-3-3-2)メタ認知の神経基盤メタ認知の神経的構成要素は、1)「メタ認知的知識」という認知活動に関する知識(認知内容・記憶内容)と、2)「メタ認知的制御」(メタ認知的監視とメタ認知的制御)という認知活動を上位統制す…

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-3)メタ認知全般 5-3-3-1)メタ認知とは

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-3)メタ認知全般5-3-3-1)メタ認知とは観察瞑想の中で、「メタ認知的気付き」という言葉が出て来ました。ではこのメタ認知的気付きとは何なのでしょうか。観察(洞察)瞑想では、「今現在ここ」(常に現在だけに意識を向け続けるという意…

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-2)観察瞑想と気づき 5-3-2-1)観察瞑想とは 5-3-2-2)(認知的)気づきとは

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-2)観察瞑想と気づき5-3-2-1)観察瞑想とは集中瞑想の主目的が、注意機能を自由自在に操作できるようになることでした。それを達成したならば、次ぎの観察瞑想に移ります。観察瞑想である「ヴィパッサナー」瞑想・「マインドフルネス」(…

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-1)能動性意識と受動性意識

5-3)観察瞑想とメタ認知 5-3-1)能動性意識と受動性意識第五章第二節では、注意をある一つの事柄に注意集中させる、集中瞑想「ダーラナー」について述べました。ところで、「注意を一つの事柄に絞って集中させる」という「意識の使い方」を「能動性意識」(トップダウ…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-8)瞑想と雑念と注意

5-2)集中瞑想と注意 5-2-8)瞑想と雑念と注意瞑想の「ダーラナー」(凝念・集中瞑想)をしても、慣れない内は、注意(意識)の固定・持続を乱す、実に様々ないわゆる雑念(ボトムアップ型情報)が心の中を飛び交います。この注意散漫の元である雑念が浮かび始めるのは、…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-7)瞑想とトップダウン注意とボトムアップ注意

5-2)集中瞑想と注意 5-2-7)瞑想とトップダウン注意とボトムアップ注意瞑想では、特に集中瞑想では、前部帯状回と前頭前野による能動的注意の維持が必要不可欠です。(中央)実行(遂行)機能(CEN)は、内側前頭前野、帯状回、背外側前頭前野、頭頂葉など広範囲の…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-6)(集中)瞑想と注意制御

5-2)集中瞑想と注意 5-2-6)(集中)瞑想と注意制御なおヨガ・坐禅・瞑想などでの集中瞑想では、注意に関しては、トップダウン注意を用います。逆にボトムアップ注意を意志の力で活動を止めます。その理由は、近くでの大きな風船の破裂音に対して無意識裏に起動す…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-5)注意と視線の関係

5-2)集中瞑想と注意 5-2-5)注意と視線の関係なお注意と視線の関係なのですが、注意の移動に眼球運動は必須ではありません。というのは、注意制御機能と眼球運動機能とでは、注意制御機能の方が階層的に上位に位置します。前頭眼野は、大脳皮質に存在する背外…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-4)トップダウン注意とボトムアップ注意

5-2)集中瞑想と注意 5-2-4)トップダウン注意とボトムアップ注意二種類の注意について述べましたが、別の角度から取り上げます。注意の制御方式は、能動的(トップダウン)制御と受動的(ボトムアップ)制御に分けられます。注意の能動的(トップダウン型)制御は、…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-3)注意とは 5-2-3-3)ノルアドレナリンと注意機能の関係

5-2)集中瞑想と注意 5-2-3)注意とは5-2-3-3)ノルアドレナリンと注意機能の関係青斑核のノルアドレナリン作動性神経が、注意力を制御する役割を担っています。ネズミでの実験なのだが、青斑核の活性化によって、衝動性(ボトムアップ注意)が抑えられ、正解率は…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-3)注意とは 5-2-3-2)二種類の注意

5-2)集中瞑想と注意 5-2-3)注意とは5-2-3-2)二種類の注意その注意ネットワークは二つの下位ネットワークを持ちます。そのひとつが受動的注意定位に関わる1)「腹側(注意)ネットワーク」(ボトムアップ型無意識的注意機能)であり、側頭頭頂接合部、中・下前頭回(腹…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-3)注意とは 5-2-3-1)注意全般

5-2)集中瞑想と注意 5-2-3)注意とは5-2-3-1)注意全般ところで、そもそも注意とは何なのでしようか。脳に関しては、注意(意識・CEN)は、一度に情報処理できる容量は限られているので、必要な情報を選択したり、情報の一側面に注目したりすることで処理分野を限…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-2)二種類の瞑想方法

5-2)集中瞑想と注意 5-2-2)二種類の瞑想方法今(5-2)は瞑想の内で集中瞑想を扱っていますが、実は、瞑想には、大きく分けてニ種類(集中瞑想と観察瞑想とが)あります。集中瞑想とは、ある特定の対象(炎、お香、メトロノームの音、水の音、呼吸、写経などなど無…

5-2)集中瞑想と注意 5-2-1)ヨガの「ダーラナー」

5-2)集中瞑想と注意 5-2-1)ヨガの「ダーラナー」先(第五章第一節)で提示しましたヨガ(瞑想)の準備段階「プラティヤハーラ」が、外向している関心(心)を内向させることでした。その後に続く、ここで扱うヨガの「ダーラナー」(凝念・集中瞑想)とは、内界に向けた心を「…

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-6)外向性の特徴

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-6)外向性の特徴外向的な人は、前部帯状回、側頭葉、視床後核がよく活性化します。これらの部位は、感覚(皮膚感覚、視覚、聴覚)の処理を司ります。視床後核の内、1)視床枕は、皮膚感覚、視覚および聴覚の統合に関与…

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-5)内向性の特徴

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-5)内向性の特徴「内向的」な人は、前頭葉と視床前核(後部帯状回と結合して大脳辺縁系(情動や記憶)と連携)が活性化しやすい。これらの部位は、例えば将来設計を立てたり、疑問を説き明かそうとしたり、過去の経験・出…

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-4)外向型と内向型の比較

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-4)外向型と内向型の比較外向型は、活動的で興味や関心が外の事物に向かいやすく、それに対して内向型は、控えめで関心が自分の内面や主観(自我)に向きやすい。このような内向型と外向型という違いをもたらす原因の…

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-3)「内向と外向」とは

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-3)「内向と外向」とはヨガ瞑想の準備段階として、心を必ず内向させる必要があります。ということで、ここでは内向と外向についてあらためて説明します。「ユング」は、自我の関心を、外的世界(周囲の環境)に向ける場合…

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-2)「プラティヤハーラ」

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-2)「プラティヤハーラ」先ず最初は、瞑想の「準備段階」ともいえる「プラティヤハーラ」(感覚の制御)からです。この段階は、外側に向いている自分の感覚(五感、特に視覚)を制御して、心を内側へと向け返えます。感覚器官…

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-1)ヨガとは瞑想とは

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-1)ヨガとは瞑想とはでは今からヨガの瞑想を始めましよう。ヨガでは瞑想をいくつもの「段階」に分けます。ところでそもそもヨガとは何なのでしょうか。定義として、「1)心身と感覚器官を鍛錬によって制御し、2)精神を…

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-0)直指人心、見性成仏

5-1)瞑想「プラティヤハーラ」と内向外向 5-1-0)直指人心、見性成仏この第五章では、人間法則を受ける人間が、更に一段高い仏性法則を受けるために、仏性(悟りを開く可能性)という仏になる種を開花(顕在化)させて、「悟り」を体得するまでの段階的な方法(階梯)を…

4)(自)我が生まれた理由とその結果 4-3)悟りとは楽園への復帰

4)(自)我が生まれた理由とその結果 4-3)悟りとは楽園への復帰ということで、悟り(脳内天国、浄土、楽園)は、最早禅僧の専売特許ではなく、人間全員がたどり着くべき「目的の地」ではないでしょうか。アダムとイヴが楽園から追放されたのは、宇宙原理(法則)を受…

4)(自)我が生まれた理由とその結果 4-2)決定論からカオス論へ

4)(自)我が生まれた理由とその結果 4-2)決定論からカオス論へ人類は、その創造力を使って、宇宙に存在していなかったものを造り始めました。地球上には人類が作り出した人工物であふれかえっています。しかし、その人間が造った創造物が宇宙に投げ入れられた…

4)(自)我が生まれた理由とその結果 4-1)創造力を手に入れた人間

4)(自)我が生まれた理由とその結果 4-1)創造力を手に入れた人間聖書にはこうあります。「神は人を創造されたとき、神に似せて人を造られた」と。ということは、「創造」という能力を持たせたということなのでしょう。また正教会においては、「人は終わりなく成長…